沖縄生活

となりの異世界 -識名園 編-

沖縄の気に入っているところのひとつに「わりとどこでも歩いて行ける」のがあります。街がコンパクトにまとまってる、とでも言うんでしょうか。

うちが那覇市でして、北は北谷町あたり、南は与那原あたりまで歩いて行けます。景色を見ながら、路地をのぞいたりしつつ歩くと意外と行けます。

……って話を相方にしたら「おかしい」「ありえない」と絶賛されました。
沖縄県民は車がメインの生活なので、歩いて3分のコンビニに車で行く、と。確かに友人知人もとにかく車移動だなぁと思い返したりしています。

まぁこれ、沖縄に限ったことでは無くて、首都圏以外はそうかもなぁ、と思います。清水でも平塚でもそうでしたし。

それはさておき、歩くのが好きです。

国道58号、330号というのが那覇市を南北に縦断しているので、この道さえ覚えておけば問題ありません。目的地に着けますし帰れます。

5年ほど観光で沖縄に訪れ、1年ちょい住んでいるわけですが、未だ行ったことのないところもたくさんあります。
首里にある「識名園」もそのひとつ。

首里にある、といいつつもやや離れたところにあり、車がないと行きにくいんですよね。観光で来ていた頃は首里城公園で満足してたりして、結局足を運ぶことはなかったのでした。

そんな識名園に、ふと行ってみようということになり。

識名園の入り口に到着

観光客でいっぱいかなぁ、とおもっていたら意外とそうでもなく。14時ごろ、っていう陽射しが一番強い時間帯だったからかもしれません(実際、中を一通り見て帰るころになって、人がどっとやって来ましたし)。

ということで、チケット(大人は400円でした)を買ってさっそく中へ。
入ってすぐ目に入るのは、うっそうとした木々と、その奥にある木造の家。

RPG気分が味わえます

門番さんのお家なんだそうで。良いところに住んでるなぁ。
裏手は扉が閉じられておりますが、反対側は開け放されており、縁側に腰掛けることができます。しばらくすると、竹箒を持った方がやってきて、お掃除を始めてらっしゃいました。

門番さんの家からさらに奥へ

お掃除中の門番さんに一礼して、園内を進みます。
那覇市外から15分ほどとは思えない森の中になります。梢の間から日光が見えて、遠足に来たような気分です。

見晴らしの良いところに出ました

大きな池と、そのほとりに立つ立派なお屋敷。
琉球王家最大の別邸だそうです。中にはいくつもの部屋があり、王家のかたがたの保養や、海外からの特使の接待などに利用されたとのこと。

この景色を、王家の人々も眺めていたのでしょうか

この建物、というか識名園全体が1975~96年の間に復元されたものだそうです。識名園に限らず、沖縄の建築物は第2次世界大戦でほぼ破壊されており、当時のまま現存するのは城趾や僅かな痕跡のみ。

そんなことを考えながら景色を見ていると、いろんなことを思います。

台所には、料理に使ったかまどが

建物の中には、靴を脱いで入ることができます。
使用人さんの部屋や賓客用の部屋など、一通り見ることができ、当時の様子を垣間見ることができます。

池に沿って一周できます。結構広くて、歩くと汗ばんできます

建物の正面には大きな池が。
見た目にも「広いなぁ」って感じですが、歩いてみると実際広いです。一周するのに、ゆっくり歩いたにしても30分くらい。

高台にも上れます。一日橋方面を望んでいます

首里にあるんですが、位置的には首里城の南の方。
高台に登って見渡すと、国道329号と一日橋あたりが一望できます。

那覇市って平地のイメージがあったんですが、暮らしてみるとけっこう山があります。丘レベルだったらそこかしこに。楚辺のあたりは丘ですし、与儀からおもろまちに向かうときも少し登ります。首里は言うまでもなく、ですし。

そんなわけで識名園は、那覇市内にあって古都の雰囲気を感じられる、静かな場所なのでした。

途中休憩を挟みつつ、2時間ほどの散策となりました。

レンタカーで行くのが楽ですが、国際通りからバス5番に乗ると乗り換え無しで識名園の前に着きます。数もそれなりにあるので気軽です(許田までバスで行ったときはいろいろ大変でした。本数なさすぎて)。

ゆいレール首里駅から、崎山……というかダムの横をを経由して歩くのもおすすめです。観光客、ぜんっぜんいないですけど、地元の景色が見られます。

あ、歩くときは水を忘れずに、なのです。ここ日本ですけど、陽射しがほぼ熱帯なので思っている以上に汗かいて消耗します。

 

 

そういえば。もう一つ、沖縄のいいところありました。
車で走っていて迷っても、絶対に沖縄県から出ることはない!

こんな感じで、幹線はものすごくまっすぐです

……いやま、離島ですから当たり前なんだけど、これってけっこう重要ですよ?

「迷う」のが楽しくて知らない道を行っても、たいてい330とか58号線、見たことのある景色と青看板に出会います。

同じようなコトを神奈川県でやると、いつの間にか千葉だったり東京だったり埼玉だったりするわけで。首都高に乗れば、混んでいなければ1時間でかなりの距離を移動できちゃうけれど、道の複雑さもかなりですし。

その点沖縄では、どんなにむちゃくちゃに走っても沖縄県内です。
安心して彷徨うコトが可能なのです。